
これまでといまとこれからのこと
小林家は小林ロクロ工芸の2人をはじめ、今、家族全員、夢と目標を持ちまっすぐ前を向いています。そのきっかけは、ただひたすらにまっすぐ正直で、決してあきらめない父が、余命宣告を受け数ヶ月で他界したことからでした。
そして、さらに私たちの運命を変える出来事が起こります。父が亡くなってから数か月後、跡継ぎの哲也が全治1年の大怪我をしたのです。木地師にとって致命傷の右手の複雑骨折、そして長期間の入院リハビリ生活、絶望的な状況でした。それでも「待ってるから」と言ってくださったお客様、応援し励ましてくださる地域の方々、父の遺してくれた人と人との信頼や絆を強く感じました。
ようやく仕事を始めることができた昨年の春、今度はコロナ禍で仕事が途絶えました。でも、私たちには諦めることや、ただ過ぎ去るのを待つことは、選択肢にはありません。あの絶望的な状況で、決してあきらめなかった哲也のように、その時やれることを精一杯やって行きたいと思っています。この先も、まっす前を向き進んでいきます。守るべきもの、変えていくことを見極めながら、ただひたすらに、まっすぐに。